フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

メグレ警視の食卓「ホロホロ鳥のヒナ肉のオリーヴ油焼き」

 Le dîner avait été particulièrement réussi.  Mme Maigret avait préparé des 
pintadeaux en croûte et  le commissaire était allé chercher à la cave une 
des dernières bouteilles d'un vieux châteauneuf-du-pape (----)
(©Georges Simenon : Maigret et l'indicateur; Chap.1er) 

夕食はことのほかうまく行った。メグレ夫人はホロホロ鳥のヒナ肉のオリーヴ油焼きを用意し、警視は地下の物置に行って年季の入ったシャトーヌフ・デュ・パプの最後の一瓶を取ってきた。
(#101『メグレと匿名の密告者』第1章)

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*これは事件の直前に、友人のパルドン医師夫妻を夕食に招いた時のことである。

Suprême de pintadeau en croûte 正式には suprême が最初につくようだ。
(シュプレーム・ドゥ・パンタドゥ・アン・クルート)
suprême は形容詞では「至高の、最高の」という意味だが、普通名詞としては鶏の胸肉などを使った料理をさす。
en croûte はパイ皮包みの場合もあるが、ここでは小麦粉やパン粉を肉にまぶしてオリーブ油で焼いたものだと思う。

婦人雑誌「マリークレール」のWEBサイトに料理の紹介があります。

ワインの「シャトーヌフ・デュ・パプ」は南仏アヴィニョン近郊の産地の赤ワインだが、飲み口が軽く爽やかな人気の銘柄で、鶏肉系には合っている。