フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語の tu と vous)深夜まで待合室でねばった女に tu

 Quand la Grande Perche entra, elle n’avait pas l’air contente.
Vous n’auriez pas dû m’interrompre.  Elle va se douter de quelque chose.
 Peut-être parce que la nuit était avancée, Maigret se mit à la tutoyer,
naturellement.
ー Qu’est-ce que tu lui as raconté ?
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.7)

 のっぽ女が入って来たとき、彼女は不満げな様子だった。
「中断させないでほしかったわ。彼女は何か怪しんでいるかも。」
 おそらく夜が更けたからだろうか、メグレはごく自然になれなれしい口調になった。
「彼女に何を話したんだ?」
(#65『メグレと消えた死体』第7章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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*容疑者との尋問が始まってから長時間経過したが、待合室には容疑者の老母が取調べが終わるのを待ち続けていたのに加えて、のっぽ女もやって来て、二人で親しげに話し込んでいた。メグレが通りかかると、のっぽ女はメグレに知らないふりをするように目くばせをした。まるで内偵者のふるまいだった。
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Crédit de l'écran d’Youtube ‘’Maigret et La Grande Perche’’; le film avec
Bruno Crémer @macri rossi

Quand la Grande Perche entra <
entrer(カン・ラグランドペルシュ・アントラ)のっぽ女が入ってきた時(単純過去形)

elle n’avait pas l’air contente < avoir(エルナヴェパ・レールコンタント)彼女は満足そうな様子ではなかった(半過去形)

Vous n’auriez pas dû m’interrompre < devoir(ヴノーリエパ・デュ・マンテロンプル)あなたは私をさえぎるべきではなかったように思う(条件法過去形)  

Elle va se douter de quelque chose(エルヴァ・スドゥテ・ドゥケルクショーズ)彼女は何か怪しいと思うだろう

parce que la nuit était avancée < être(パースク・ラニュイ・エテタヴァンセ)夜が更けていたせいか(半過去形)

*se mit à la tutoyer < se mettre(スミタラ・チュトワィエ)彼女になれなれしい口をきき始めた(単純過去形)se mettre à ~し始める

naturellement(ナチュレルマン)adv. 自然に.

Qu’est-ce que tu lui as raconté ? < raconter(ケスク・チュリュイア・ラコンテ)あんたは彼女に何を話したのか?