フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「体毛でいる⇒ 裸でいる」

ー Je suis chez moi.  Il fait chaud, et j’ai le droit d’être à poil.  Maintenant, si
vous tenez à ce que je vous suivre telle que je suis, je n’y vois pas d’incon-
vénient.
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.1er)

「あたしは自分んちにいるのよ。今日は暑いし、裸でいる権利があるの。ところで、もしあたしがこのまんまであんたについて行くってことなら、何の不都合もないわ。」
(#65『メグレと消えた死体』第1章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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Je suis chez moi(ジュシュイ・シェモヮ)私は自分の家にいる
イメージ 1

Crédit Photo : Fenêtre ouverte,
Pierre Laprade  (1875-1931)
Troyes, musée d'Art moderne
(C) RMN-Grand Palais / Gérard Blot

Il fait chaud < faire(イルフェ・ショー)暑い( il は非人称で天候を表わす)

j’ai le droit de < avoir(ジェルドロヮドゥ)私は~する権利がある

*être à poil(エートル・アプヮル)裸でいる(慣用句=冠詞をつけない)
poil n.m. 体毛、毛羽、毛並み
昨日出た直接的な表現 nu / nue よりもこちらの方が控えめで好ましい言い方とされるようだ。

Maintenant(メントナン)adv. ところで、目下、今後は

si vous tenez à < tenir à(シヴトゥネザ)もしあなたが~に執着するならば

ce que je vous suivre(スクジュヴシュイヴル)私があなたについて行くということ

*telle que je suis < tel(テルクジュシュイ)私がこのままで(ここの場合では主語 je が女性なので tel(~のまま)が女性形になった)

je n’y vois pas de < voir(ジュニヴォヮパドゥ)私はそのことに何も思わない

inconvénient(アンコンヴェニアン)n.m. 不都合、差し障り、難点