フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「七枝の燭台」(メノラー)

  Sur chaque panneau, deux lampes électriques, de ses lampes oblongues qui imitent les cierges, y compris les fausses larmes de cire.

  Au milieu de la table, un vrai chandelier à sept branches, avec sept vraies bougies.

(©Georges Simenon : L’Affaire Saint-Fiacre; Chap.9) 

 

 それぞれの羽目板には大きなろうそくを模して、蝋の雫も飾りに加えた2本の細長い電灯があった。

 テーブルの中央には本物の七枝の燭台に本物のろうそくが立っていた。

(#14『サン・フィアクル殺人事件』第9章)

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Sur chaque panneau(シューシャクパノー)それぞれの羽目板に

 

deux lampes électriques(ドゥランプ・エレクトリク)2本の電灯

 

de ses lampes oblongues(ドゥセランプ・オプロング)細長い

 

qui imitent les cierges < imiter(キイミト・レシエルジュ)大きなろうそくを模した(現在形)

 

y compris les fausses larmes de cire(イコンプリ・レフォース・ラルムドゥシール)蝋の雫も飾りに加えた

 

**参考記事:生きたフランス語見聞録

「蝋涙(ろうるい)」のフランス語訳を探してみた (2022.12.26)

https://deslys.blog.fc2.com/blog-entry-818.html

Larmes de bougie(ろうそくの雫)=短編集「メグレ警視の事件簿」所収の一篇を紹介していただいています。

 

Au milieu de la table(オーミリュ・ドゥラターブル)テーブルの中央には

 

un vrai chandelier à sept branches(アンヴレ・シャンドリエ・アセットブランシュ)七つの枝のある本物の燭台

Crédit photo : Le chandelier à sept branches - Mathématiques spirituelles

@Wikimedia commons

*メノラー(Menorah) と呼ばれ、古くはユダヤ教の神性を示すものとして宗教儀式に用いられた。後世になってはキリストの十字架に例えられているとも言われている。(十字架上の七つの言葉など七という数字にも関連性があるのかも。)

 

avec sept vraies bougies(アヴェク・セットヴレ・ブージー)7本の本物のろうそくを立てた