フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)絞殺、警官

  Aucun doute n’était possible : elle avait été étranglée.
  Il revint, dur et soucieux, sur le palier :
ー Qu’on aille me chercher un sergent de ville...
(©Georges Simenon : Cécile est morte; Chap.1er de 1ère Partie) 

 何の疑いようもなかった。彼女は絞殺されていた。
 彼はこわばった気がかりな様子で戸口に戻ってきた。
警官を呼んで来てほしいんだが。」
(#41『セシルは死んだ』第1部・第1章)

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*会議の後でセシルの話を聞こうと思ったが、彼女はいなくなっていた。気がかりになってメグレは彼女の住まいを訪ねてみることにした。パリ南部郊外のブール=ラ=レーヌ市(Bourg-La-Reine)である。呼び鈴を押しても応答がない。中には身体の不自由な伯母がいるはずだ。カギをこじ開けて入ると、老婦人は絞殺されていた。

イメージ 1
*Crédit photo : Vue d’un immeuble
à Bourg-la-Reine,
© Google street-view
原作では1階に自転車屋がある建物の6階に住んでいたことになっている。

Aucun doute n’était possible < être(オーキャン・ドゥト・ネテポシーブル)何の疑いも可能ではなかった=何の疑いようもなかった(半過去形)

elle avait été étranglée < être, étrangler(エラヴェテテ・エトラングレ)彼女は絞殺されていた(大過去形・受動態)

Il revint < revenir(イルルヴァン)彼は戻ってきた(単純過去形)

dur et soucieux(デューエ・スーシュー)こわばった、心配そうな

sur le palier(シュールパリエ)階段の踊り場に=戸口に(アパルトマンの扉があるところは階段の踊り場に相当する) 

*Qu’on aille me chercher < aller(コンナーユ・ムシェルシェ)呼んできてほしい qu’on の前に il faut が省略されている。(接続法「呼んでこなくてはならない」)
chercher(シェルシェ)v.t.には「探す」だけでなく、「取りに行く」「買い求める」「連れて来る」などの幅広いニュアンスが含まれる。
ここの me は目的格のようだが「私の所に」ということか?文法的にはよくわからない。
   
un sergent de ville(アンセルジャン・ドゥヴィル)警察官(現在では gardien
de la paix =平和の防衛者 とも言う)