フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)一生牢屋暮らし

ー Tu ignores qui a tué Fumal ?
ー Si je le savais, j’irais lui dire merci.  Et, si j’en avais eu le courage, je l’aurais
fait moi-même. Je me l’étais promis, à la mort du père. Je l’avais dit à ma sœur.  C’est elle qui m’a expliqué que cela ne servirait qu’à me faire mettre en prison pour le reste de mes jours.
(©Georges Simenon :Un échec de Maigret; Chap.6)

「誰がフュマルを殺したのかは知らないのか?」
「もし知っていたなら、そいつに礼を言いに行きましたよ。それに俺にその勇気があったなら、自分でやっただろうに。親父が死んだときに俺はそう心に決めたんだ。妹にもそう言ったよ。妹はそれが一生牢屋に入れられることにしかならないんだと俺を説得したよ。」
(#76『メグレの失態』第6章)

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*ランタンは妹のフュマル夫人とともに、フュマルに買収された肉屋の経営者の息子だった。つまりフュマルは政略結婚で勢力を拡大させたのだ。
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Crédit photo : Boucherie de l'Abbé
Grégoire, boucher Paris 6e - une
boucherie comme avant
@Le blog de Gilles Pudlowski - Les
Pieds dans le Plat


*Tu ignores qui a tué Fumal ? < ignoler(チュイニョル・キアチュエ・フュマル)誰がフュマルを殺したのかを知らないのか?
ignorer(イニョレ)v.t. 知らずにいる、知らない、無視する、(知らないことを知ろうとせずに放置しているニュアンスを表わす)

*Si je le savais, j’irais lui dire merci. < savoir, aller(シジュルサヴェ・ジレ・リュイディール・メルシ)もし知っていたなら、そいつに礼を言いに行っただろう(典型的な条件法構文=si + 半過去形~だったら + 条件法 ~しただろう)

*si j’en avais eu le courage, je l’aurais fait moi-même.(シジャンナヴェウ・ルクラージュ・ジュローレフェ・モヮメーム)俺にその勇気があったなら、自分でやっただろうに(これも典型的な条件法構文である:「たられば」=現実にはそうでないことを仮定して言う表現)  

Je me l’étais promis, à la mort du père. < se promettre(ジュムレテプロミ・アラモールデュペール)親父が死んだときに俺はそう心に決めていたんだ(大過去形)

Je l’avais dit à ma sœur < avoir, dire(ジュラヴェディ・アマスール)私はそれを妹に言っていた(大過去形)

C’est elle qui m’a expliqué que < expliquer(セテル・キマエクスプリケ・ク)私を説得したのは彼女だ(複合過去形)

cela ne servirait que < servir(スラヌセルヴィレ・ク)それが~にしかならないだろう(条件法)

à me faire mettre en prison(アムフェール・メトルアンプリゾン)私を牢屋に入れさせる

pour le reste de mes jours(プールレスト・ドゥメジュール)人生の残りの期間