フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレ美術館)コローとクールベのフォンテーヌブローの森

« Gertrude chérie,
» Paris n’a jamais été si resplendissant que ce matin et j’ai bien failli accom-
pagner G… et sa mère dans la forêt de Fontainebleau, qui doit se parer de
toutes les splendeurs de Corot et de Courbet… »
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.6)

『ゲルトルード様、
 パリは今日の朝ほど光り輝いていたことはなくて、私はGとその母親と一緒にフォンテーヌブローの森に行きそうになるところでした。コローやクールベのあらゆる素晴らしさがそこに見出されるに違いありません。』
(#65『メグレと消えた死体』第6章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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*日本人にとってはフォンテーヌブローの森とバルビゾンの村はミレーの絵が一番なじみ深いが、コローやクールベもこの地で多くの作品を描いている。
イメージ 1

Crédit Photo : Le ruisseau noir dit
aussi le ruisseau du Puits noir (1865)
Gustave Courbet (1819-1877), Paris, musée d'Orsay
(C) RMN-Grand Palais (musée
d'Orsay) / Hervé Lewandowski

*Gertrude chérie(ジェルトリュド・シェリ)直訳風では「親愛なるゲルトルード」(オランダ人の名前の発音はドイツ語に近いらしい)

*Paris n’a jamais été si resplendissant que(パリナジャメゼテ・シレスプランデサン・ク)パリはこれほどまでに光輝いていたことはなかった(複合過去形)resplendissant(レスプランディサン)adj. 光り輝いた

j’ai bien failli accompagner < faillir(ジェビァンファィイ・アコンパニェ)私は同行しそうになった(複合過去形)

*dans la forêt de Fontainebleau(ダンラフォレドゥ・フォンテーヌブロー)フォンテーヌブローの森に(パリの南東約60kmにある広大な森林、人口1万6千人ほどの町にはルネサンス時代の王宮がある。パリ市民の週末の行楽地の一つ。その手前にバルビゾンの村がある。)

qui doit se parer < devoir(キドワスパレ) ~が備わっっているに違いない

splendeurs(スプランドゥー)n.f. 華麗さ、素晴らしさ