フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)錠前、懐中電灯、死者の目

ー Que s’est-il passé ?
ー J’étais occupé avec la serrure quand ma lampe a éclairé un visage dans
un coin de la pièce.  J’ai cru qu’on était entré sans bruit et qu’on me regardait.  Puis je me suis aperçu que les yeux étaient morts.
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.1er)

「何があったの?」
「俺は錠前に取り掛かっていたんだが、部屋の隅っこに人の顔があるのを電灯が照らしたんだ。音を立てずに人が入って来て俺を見てるのかと思った。でもすぐに死人の目だとわかったんだ。」
(#65『メグレと消えた死体』第1章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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*Que s’est-il passé ?(クセティルパッセ)何が起こったのか?(複合過去形)
il se passe ~ < se passer  事が起きる、時間が経つ、自分の~を動かす、il は非人称

*J’étais occupé avec ~(ジェテゾキュペ・アヴェク)私は~に取り掛かっていた(受動態・半過去形)代名動詞 s’occuper(ソキュペ)でも「~に取り掛かる」という意味になるが、occuper に関しては、「今は忙しい!」(Je suis
occupé, maintenant ! ) など受動態での言い方が日常的に頻繁に使われている。
イメージ 1

Crédit photo : l’écran du téléfilm “Maigret
and the Burglar’s wife” ,
by Michael Gambon, Granada TV

serrure(セリュール)n.f. 錠前

ma lampe a éclairé < éclairer(マランプア・エクレレ)私の持った電灯が照らし出した(複合過去形)

visage(ヴィザージュ)n.m. 顔

dans un coin de la pièce(ダンザンコヮン・ドゥラピエス)部屋の片隅に

J’ai cru que < croire(ジェクリュ・ク)私は~だと思った(複合過去形)

on était entré(オネテタントレ)人が入っていた(大過去形)

sans bruit(サン・ブリュイ)音を立てずに

je me suis aperçu que < s’apercevoir(ジュムシュイ・ザペルシュ・ク)私は~に気がついた(複合過去形)

les yeux étaient morts < être(レジュー・ゼテモール)直訳で「その目は死んでいた」⇒「死人の目だった」 (半過去形)