フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)捜査

Il sentait des tas de choses, comme toujours au début d’une enquête, mais
il n’aurait pas pu dire comment ce brouillard d’idées finirait, tôt ou tard, par
s’éclaircir.
(©Georges Simenon : Mon ami Maigret; Chap.4)

いつもの通り捜査の始まりには、彼は沢山のことを感じていた。しかしこの想念の霧が、遅かれ早かれどのように晴れるのかは言うことができなかった。
(#57『メグレ式捜査法』第4章; 原題は「わが友メグレ」)

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sentait < sentir(サンテ)感じていた(半過去形)

*tas de choses(タドゥショーズ)沢山のこと
un tas de ~  / des tas de ~ たくさんの、多量の tas  n.m. 山積み、堆積、大勢

comme toujours(コムトゥジュー)いつもの通り

au début de(オーデビュ・ドゥ)始まりには

enquête(アンケト)n.f. 捜査

*il n’aurait pas pu dire(イルノーレ・パ・ピュディール)言うことができなかった(条件法過去形)ここの文節は n’avait pas pu dire の直説法半過去形でも良さそうな感じだが、使い分けがわからない。ニュアンスの微妙な違いを和訳するのは難しい。

*brouillard d’idées(ブリュヤール・ディデ)想念の霧(いろいろな考えが集まってモヤモヤした状態)

finirait par < finir(フィニレパー)v.t. 結局最後に~する(条件法)

*tôt ou tard(トウタール)遅かれ早かれ(フランス語の語順では直訳で「早かれ遅かれ」になるが日本語の語順は逆になっている)

s’éclaircir(セクレルシール)v.pr.  はっきりする