フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)聞き込みでビール2杯

Dans chacun des bistrots, l’inspecteur Louis but un Vichy fraise.  Quant à Maigret, il
se contenta en tout de deux verres de bières.
(©Georges Simenon : Maigret et l'indicateur; Chap.3)

(聞き込みで)ビストロ一軒ごとにルイ刑事はいちご味のヴィシー水を飲んだ。メグレの方はビールを2杯だけにした。
(#101『メグレと匿名の密告者』第3章)

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*メグレの事件簿では、捜査の途中でも酒類を飲むのが習慣となっている。フランスでは昼食時にも運転手がワインを飲んでも大目に見られている。(グラス2杯程度は運転免許の教則本にもOKと書かれている)メグレは事件ごとに、その時の状況によって「飲みたい酒」が変わるのが興味深い。

chacun des bistrots(シャカン・デ・ビストロ)ビストロ一軒一軒ごと

Vichy  n. ミネラルウォーターの産地(銘柄)の一つ、他に Evian とか Volvic がある。

Quant à ~(カンタ)もう一方の~は、と言えば(接頭辞)

se contenta < se contenter(ス・コンタンテ)~に甘んじる、~で我慢する

deux verres de bières(ドゥヴェール・ドゥ・ビエール)ビール用の長いグラスが
verre
グラス一杯を注文するときに un demi(アン・ドゥミ)とも言う。元々半リットル入りのグラスだった名残。

*この時の聞き込みは6軒目で目的を果たしたのだが、酒を飲まないルイ刑事はともかく、メグレは呑み過ぎだと思う。