フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「変わったことがあれば何でもいいから」

ー Je serai au bureau de bonne heure cet après-midi.  S’il y a n’importe quoi
de nouveau, appelle-moi…
(©Georges Simenon : Maigret et l'indicateur; Chap.1er)

「午後の早いうちには席にいるよ。もし変わったことがあれば何でもいいから電話してくれ。」
(#101『メグレと匿名の密告者』第1章)

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de bonne heure:(ドゥ・ボンヌール)早いうちに、早い時期に、単独では「朝早く」として使われる。発音上「幸せ」bonheur(ボヌール)に近い。
de bonne heure cet après-midi:いわゆる「午後イチ」くらい

*n’importe quoi:(ナンポルト・クヮ:慣用表現)「何でもいいから」ほとんどの場合、n’importe + 疑問詞 の形でのみ使われる。結構使える言葉です。
n’importe quand  いつでもいいから
n’importe où  どこでもいいから
n’importe qui  誰でも
*quoi de nouveau:(クヮ・ドゥ・ヌーヴォ)「何か新しいこと」だが
nouveau のニュアンスには「既存でない物事」 =日本語で言う「変わったこと」に当てはまる。

*appelle-moi…(アペル・モヮ)2人称命令形「電話してくれ」だが、一般的には appelez-moi (アプレ・モヮ)複2人称命令形で「電話してください」「コールバックしてください」「こちらに電話ください」などと仕事で頻繁に使われる。