フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)警察医、銃弾、至近距離で

Le docteur Bourdet, le médecin légiste (---) alla se pencher sur le corps, examina
la blessure à l’aide d’une torche électrique qu’il avait dans sa trousse.
ー Une seule balle, si je ne me trompe, mais de fort calibre et tirée à bout
portant
(©Georges Simenon : Maigret et l'indicateur; Chap.1er)
警察医のブルデは (----) 死体の上にかがんで、診察カバンにあった懐中電灯で傷口を調べた。
「勘違いでなければ、たった一発の銃弾、しかも大きな口径のやつで、至近距離で撃たれているね。」
(#101『メグレと匿名の密告者』第1章)

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le médecin légiste  法医学者、メグレ物の中では検死や司法解剖などを担当するが、ここでは警察医と訳してみた。
légiste(レジスト)n.m. 単独では法律学者、法学者

se pencher sur ~ の上に身をかがめる、乗り出す

blessure  n.f. 傷、傷口

trousse  n.f. 診察カバン

balle(バル)n.f. 弾、弾丸、玉

si je ne me trompe(シ・ジュヌム・トロンプ)慣用句で「もし私が間違ってなければ」⇒「勘違いでなければ」 < se tromper  間違える

calibre  n.f. 口径、内径 de fort calibre 大きな口径の

tirée  < tiré (チレ)発射された、撃たれた(主語は弾丸(女性形)なので e が付いた。)発音は「ティレ」よりも「チレ」のほうが近いように思う。

à bout portant(アブーポルタン)至近距離で、いきなり 
bout n.m. 端っこ、先端、末端