フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)昔張り込みに使ったバーで食前酒

  Il commanda un apéritif pour lui, un jus de fruit pour sa femme et ils s’assirent à une table cependant que la propriétaire les observait en fronçant les sourcils. (---)

De l’eau nature ou de l’eau à ressort ?

De l’eau à ressort.

(©Georges Simenon : Maigret s’amuse; Chap.7) 

 

 彼は食前酒を、夫人にはフルーツ・ジュースを頼んでテーブル席に座ったが、その間、女店主は眉をひそませながら彼らを見ていた。(---)

普通の水ですか、それとも炭酸水ですか?」

「炭酸水で。」

(#77『メグレ推理を楽しむ』第7章)

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*メグレは夫人を連れて、昔の事件の数々を思い出しながらシャラントン河岸を歩き、張り込みに使ったことがある小さなバーに入った。現在のシャラントン河岸は大規模な都市計画によって自動車専用道路に変貌している。

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Crédit d’image : Vue d’un café de l’avenue de la liberté, Charenton 

@Google street-view

 

Il commanda un apéritif pour lui < commander(イルコマンダ・アンナペリティフ・プーリュイ)彼は自分のために食前酒を頼んだ(単純過去形)

 

un jus de fruit pour sa femme(アンジュドゥフリュイ・プーサファム)彼の妻のためにフルーツ・ジュース 

 

et ils s’assirent à une table < s’asseoir(エ・イルサッシール・アユヌターブル)そして彼らはテーブル席に座った(単純過去形)

 

cependant que(スパンダンク)~している間(= pendant que)

 

la propriétaire les observait < observer(ラプロプリエテール・レゾプセルヴェ)女店主は彼らを観察していた(半過去形)

 

en fronçant les sourcils < froncer(アンフロンサン・レスーシル)眉をひそませながら(現在分詞)

 

*De l’eau nature(ドゥロー・ナチュール)普通の水、天然水

l’eau plate(プラト)とも言う。ここでは水割りのタイプをきいている。

 

*De l’eau à ressort(ドゥロー・アルソー)炭酸水(弾力のある水=プシュとなるから?)

l’eau gazeuse(ガズーズ)こちらのほうが一般的

vin pétillant(ペティヤン)発泡酒 pétillant は酒の場合に使う