フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

メグレ警視の食卓「シュークルートとビール」

 Une belle brasserie, comme Maigret les aimait, pas encore modernisée, avec
sa classique ceinture de glaces sur les murs, sa banquette de molesquine
rouge sombre, ses tables de marbre blanc (---) Cela sentait bon la bière et la
choucroute. (---)
Deux choucroutes, deux demis et le patron, s’il vous plaît.
ー Vous voulez parler à M. Jean ?
ー Oui.
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.5)

 

 いいブラッスリとは、メグレの好みのように、まだ現代風にはなっておらず、壁面が古風な鏡張りになっていて、くすんだ赤いモールスキンの長椅子と白い大理石のテーブルがある店だった。 (---) そこではビールとシュークルートのいい匂いがした。 (---)
シュークルート2つとビール2杯、それと店主を頼む。」
「ジャンさんと話したいんですか?」
「そうだ。」
(#55『メグレと殺人者たち』第5章)

 

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*第一の被害者がパリの北駅周辺にあるブラッスリで何年か働いていたという情報をもとに、メグレ自身が聞き込みに行く。原作では「時計の文字盤」(Au Cadran) という名前だが、こうした昔風のブラッスリは、駅の目の前のダンケルク通りにある。この事件中にメグレがシュークルートを食べるのは2度目になる。
イメージ 1

 

Crédit photo : Recette Choucroute
 

 

comme Maigret les aimait < aimer(コム・メグレレザメ)メグレがそれらを好んでいたように(半過去形)

 

pas encore modernisée(パザンコール・モデルニゼ)まだ現代化されていない

 

avec sa classique ceinture de glaces(アヴェクサ・クラシック・サンチュール・ドゥグラス)古風な帯状に広がる鏡

 

sur les murs(シューレミュール)壁面に

 

*sa banquette de molesquine rouge sombre(サバンケット・ドゥモレスキン・ルージュソンブル)molesquine ⇒ moleskine n.f. 辞書では後者の表記になっている
くすんだ赤いモールスキンの長椅子

 

ses tables de marbre blanc(セターブル・ドゥマルブルブラン)白い大理石のテーブル

 

Cela sentait bon < sentir(スラサンテボン)いい匂いがした(半過去形)

 

Vous voulez parler à  < vouloir(ヴヴレパルレ・ア)あなたは~と話したい(現在形)